鍼灸師は、人間の自然治癒力を活性化させることで病気やケガの回復を促す医療職の一種です。一般的な医療とは異なるアプローチによる施術は、多くの患者さんにメリットを与えています。今後も鍼灸師の需要は高まり、多くの人材が必要になるでしょう。
本記事では、鍼灸師を目指す人に向けて「鍼灸師になるにはどうすればいいの?」という疑問への回答と、主な仕事内容などを解説します。これから鍼灸師を目指す人、鍼灸師という仕事に興味をもちはじめた人は、ぜひ参考にしてください。
鍼灸師とは、鍼(はり)・灸(きゅう)を使用して患者さんの健康回復や病気・ケガの予防を行う職業です。鍼(はり)や灸(きゅう)によって身体のツボを刺激し、人間が本来持つ自然治癒力を高めるのが特徴です。
薬や手術などは一切行わず、鍼(はり)と灸(きゅう)を使い回復を図ります。
身体の内面にもアプローチし、不調を引き起こす原因を取り除くのが鍼灸師の役割です。
鍼灸師は施術の際に、鍼(はり)と灸(きゅう)を使用します。鍼(はり)とはステンレスや銀などで作られたもので、直径0.14~0.3mm程度の太さしかないのが特徴です。この極細の鍼(はり)を経穴と呼ばれるツボに刺して、刺激を与えるのが鍼(はり)治療です。鍼(はり)とはいえ髪の毛程度の細さしかないため、痛みを感じることはほとんどありません。
灸(きゅう)とは、よもぎの葉から作った艾(もぐさ)に火をつけ、熱によって経穴を刺激する方法を指します。皮膚に直接、艾をつける「直接灸」と、皮膚と艾の間にしょうがやにんにくなどを挟む「間接灸」があります。
鍼灸師はこの鍼治療と灸治療を用いて、患者さんの痛みや不調の緩和を行う職業です。
鍼灸師は鍼灸院や美容サロン、スポーツ施設などに就職して仕事をします。仕事内容は一般的に「鍼(はり)・ 灸(きゅう)による治療」です。
先ほど紹介した鍼(はり)と灸(きゅう)を使い、施術を行うのが鍼灸師のメインとなる仕事です。身体に刺激を与えて筋肉をほぐしたり、血行促進を促します。患者さんの悩みに合わせて刺激するツボや方法を選択し、最適な方法を選びます。
鍼灸師は医師ではないため、薬の処方や手術といった方法は取れません。
鍼(はり)と灸(きゅう)を活用し、医師とは違うアプローチにより健康改善・予防をサポートするのが仕事です。
脈診とは、漢方・鍼灸医学における診察方法の1つです。脈診によって「速さ」「深さ」「強さ」といった情報を取得し、患者さんの状態や気の流れなどを把握できます。脈診による診察には知識と経験が不可欠であり、鍼灸師になったばかりの頃は正確に患者さんの状態を把握するのが難しいです。
望診とは、患者さんの状態を視覚から得られる情報で診察する方法です。表情や血色、舌の状態などを確認し、不調の原因を探ります。身体の動きなどもチェックすることで、ケガの状態を診断することもあります。
鍼灸師になるためには、さまざまな準備が必要です。鍼灸師になる方法を知ることが、就職に向けた第一歩となるでしょう。
以下では、鍼灸師になるために必要な準備について解説します。
鍼灸師になるには、厚生労働省が認定する養成施設に入学し、必要な学習課程を修了する必要があります。鍼灸師として働くために必要な知識・技術を学校で身につけ、卒業によってそれを証明することが求められます。
認定の養成施設には、専門学校や大学などがあります。いずれも定められた学習課程を学んだ上で卒業する必要があります。専門学校と大学では進学後の流れが少し異なります。
大学は4年間在学して勉強をする必要があり、鍼灸師の勉強以外にもさまざまな授業を受けなければなりません。学費も高くなりやすく、コストがかかる点も考慮する必要があります。
一方で専門学校なら、最短3年で鍼灸師の学習課程を修了して卒業が可能です。学費を抑えられる上、鍼灸師を目指してから就職するまでの期間も短いため、すぐに現場で実践経験を積めるのがメリットです。
上記のような違いを考慮しつつ、鍼灸師になるための学校選びをするのがポイントです。
鍼灸師になるには、国家試験に合格する必要があります。認定の養成施設を卒業することで、国家試験の受験資格が得られます。独学では受験資格を得られないため、まずは専門学校などの養成施設で受験資格の取得が必要です。
鍼灸師になるには、「はり師」と「きゅう師」の2つの国家資格が必要です。はり師ときゅう師の資格を両方取得してはじめて、鍼灸師となります。はり師ときゅう師の資格は同時に受験が可能で、申請すれば片方の学科試験が一部免除されます。そのため一般的に、はり師ときゅう師の同時受験をするケースがほとんどです。
はり師ときゅう師の国家資格を取得後、就職先を決める必要があります。鍼灸師は鍼灸院へ就職するケースが多いですが、近年は就職先の幅も広がっています。特に美容分野やスポーツ分野に需要があるため、美容鍼灸やエステサロン、スポーツジムなどへの就職も増えています。自身がどの分野に興味があり、どんな形で鍼灸師の仕事に携わりたいのかを考慮した上で、就職先を決めるのがポイントです。
鍼灸師になるには、仕事内容の詳細や役割を知り、就職に向けた準備をする必要があります。鍼灸師がどんな職業なのか、どんな仕事をすることになるのかをまずは確認し、就職後の働き方をイメージしてみましょう。
鍼灸師になるには、国家試験を受験して合格する必要があります。受験には専門学校などの養成施設に通う必要があるため、事前に進路を決めておくのもポイントです。
「国際メディカル専門学校」の「鍼灸学科」では、鍼灸師になるために必要なカリキュラムを効率良く学べます。昼間部と夜間部の両方があるため、社会人の学び直しのきっかけにもなり得ます。この機会に国際メディカル専門学校の特徴を確認し、鍼灸師になるための準備をしてみてはいかがでしょうか。